スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

歯科医療ななめ読み 

'07.6月号

診療形態の転換の時代

尾崎哲則 
(日本大学歯学部医療人間科学教授・歯学部附属歯科衛生専門学校校長)
 
最近,今まで以上に,口腔保健と全身のかかわりが大きく取り上げられるようになってきた.昨今,毎日のようにマスコミに登場しているし,来年度から特定健診や保健指導の対象となるメタボリックシンドローム状態の人は,虚血性心疾患や脳血管疾患を起こしやすいといわれるが,そこに歯周疾患が加わると,より起こしやすくなることが疫学的研究のみならず,分子生物学的な解析でも分かってきたことが大きいであろう.
 このなかで,歯周疾患をどのように捉えているかを一言で言えば,軽微な慢性炎症が継続的に起きており,ここから絶えず供給される炎症産物によって,虚血性心疾患が起こりやすくなるということである.従来の歯科医療は,う蝕などによって生じた欠損部分を補うことによって機能の回復を図ることを主としてきた.すなわち形態学的な修復することが治療であった.しかし,歯周治療の本体は,炎症をいかに抑えていくかが勝負である.そのために,行う処置が大きく異なるわけであるし,従来以上に,患者のメインテナンス(サポーティブ・セラピー)が大きな意義をもつ.
 さて,詳細が1月末に発表された平成17年歯科疾患実態調査をみていると,どうみても,う蝕は小児期を中心にかなり減少している.しかし,その反面,歯周疾患は,高齢者の増加・現在歯の増加などにともない絶対量で増加している.傍目からみると,歯科疾患としては歯周疾患が増加しているようにもみえる.しかも,この10年来の各地で行われている抜歯理由の調査をみても,歯の喪失が急増する壮年期以降の理由としては間違いなく歯周疾患が一番である.
 ここまでいえば理解の早い方は,今後の歯科医療のあり方が,否応なく歯周疾患関連へ移行していくのが,おわかりになるかと思う.歯科の保健医療のあり方も変わるはずであろう.そのようななかで,う蝕はある程度予防を支援する形で,歯周疾患はメイテナンスを継続的に行うような診療形態に転換が必要になってきているのではないだろうか.これらの歯科医療行為は,歯科衛生士とともに進めていくことが効率的であるのは周知のことであり,歯科衛生士の最も得意とするところでもあろう.さらに,歯科診療所の経営から見ても当然のことである.国民の口腔保健への意識は,未だう蝕中心であるかもしれないが,口腔保健医療を担うものとしては,一歩先んじていく必要はあろう.

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://dentaltoday.blog122.fc2.com/tb.php/7-c8bddfb2





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。