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歯科医療ななめ読み 

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07'11月
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尾崎 哲則(日本大学歯学部医療人間科学教授・歯学部附属歯科衛生士専門学校校長)

変わりゆく歯科医療の位置付け

歯科医療がこの世からなくなることはないであろう.しかし,どの程度の歯科医療が必要であるかについては,いろいろ論議がある.最初にはっきりさせねばならないのは,歯科医療の範囲である.従前は,歯科医療というと歯科治療と同義語としていたし,現在でもそう思っている歯科医師も少なくない.しかし,医療についての定義が,医療法第1条の2にある.「医療は,生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし,医師,歯科医師,薬剤師,看護師その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき,及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに,その内容は,単に治療のみならず,疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない.」とされている.すなわち,これによれば,予防からリハビリテーションまでのすべてを医療としている.
また,近年の歯科の疾病に関するデータを見ると,平成18年度学校保健統計調査の12歳児(中学校1年生)のDMFT(一人平均の齲蝕経験歯数)は1.71であり,未処置歯数は0.60である.ほとんど,未処置の齲歯はないことになる.実際に平成17年度の患者統計をみると,小児期の歯科への患者数は減っている一方で,65歳以上の高齢者の歯科患者数が徐々に増加している.この高齢者の歯科医療の内容分析をすると,必ずしも歯科治療が増加しているのではないようである.
実は,このところ全体の歯科医療の内容分析を行うと,歯科疾患の予防やメイテナンスそして訪問での口腔ケアが結構上がっている.しかし,通常の歯科医療の提供を分析するときには社会医療診療行為別調査結果を用いることが多く,そこにはこういった行為があがってこない.それは,社会保険自体が,現在の歯科医療行為との間に差を持っていることによるものであろう.社会保険診療自体が疾病治療型でできているためである.
現在,社会の求めている歯科は治療よりも予防である.最近のマーケット調査によれば,結構価格の高い電動歯ブラシが売れている.昼のオフィスでも,従来以上に歯磨きをする人が増えてきている.また,歯科診療と言うより「デンタル・エステ」とも呼びたくなる形態の歯科?が,多くの顧客を集めている.
このような状況の中で,国民が望んでいるのは従来型の歯科ではなく,歯科疾患の予防のみならず,かかって気持ちのよい歯科であろう.一方,潜在患者発掘のため歯科検診はむなしい.現に,どんな状況でも歯科に受診しない人の割合がある程度一定化していることが知られているし,今日の経済較差が拡がる社会では,歯科診療にかかれない人たちが多くでてきている.
これからの歯科診療や歯科界のあり方が問われるポイントの最初は,おそらく次年の平成20年ではないかと思われる.国民と対話をもって,国民の生活の質を支える歯科医療を構築していくことは,容易ではないが,今後5年間の課題でもあろう.ここに,今後の歯科界がかかっている.


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