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歯科医療ななめ読み 

   
'07.4月号

生活習慣病対策で歯科も変わるか?

尾崎哲則 
(日本大学歯学部医療人間科学教授・歯学部附属歯科衛生専門学校校長)
 
医療構造改革の大きなポイントの1つに,医療費の増大の圧縮がある.医療費の高騰は高齢者の医療費の増加であり,この原因は,肥満症や高血圧,高脂血症,糖尿病などの生活習慣病である,そのため,医療費あるいは要介護状態の抑制ために,以下に述べるような理由のために,メタボリックシンドローム対策が大きな課題となったわけである.
 メタボリックシンドロームの概念を整理してみると,肥満症や高血圧,高脂血症,糖尿病などの生活習慣病は,各々が独立した疾患ではなく,肥満<特に内臓脂肪型肥満>が原因であることが解明されてきた.このように,内臓脂肪型肥満によって,各疾患が惹起されやすい状態をいい,治療の対象として考えられるようになった.
 このような背景の下に,成人・高齢者への保健・医療の提供形態は大きく変わろうとしている.介護保険や高齢者医療の平成20年以降の変革を前にして,医療に関わる法律が,今春から様々な部分での変更が始まろうとしている中で,歯科保健も例外ではない.
 いままで生活習慣病に関わる予防対策は,老人保健法の保健事業としてされてきた.また,高齢者の医療給付も,老人保健法の医療給付としてきたが,老人保健法の医療関連部分は,平成20年度以降,新たに創設される「高齢者の医療確保に関する法律」に移行される.また,基本健康診査は,「高齢者の医療確保に関する法律」に引き継がれていく.その一方で,65歳以上を対象とした健康教育・健康相談・訪問指導は「介護保険法」へ,その他の保健事業の多くは,「健康増進法」へ引き継がれることになる.しかし,この移行予定には「歯科」関連の記載は今ひとつはっきりしない.この10年間,歯周疾患検診が,成人歯科保健の重要な項目となってきたが,今後は,健康増進法の事業として,各市区町村の責任の範囲で実施することになろう.
 「高齢者の医療確保に関する法律」では,健診等の実施責任を医療保険の保険者(健康保険組合や国民健康保険の保険者としての市区町村)に義務づけている.保険者が自らの対象者に対して,医療費の削減をさせるためには,効果的な方法である.即ち,がんばった保険者は医療費を削減できるという発想である.この保険者に義務づけられている健診は40歳から74歳までの被保険者・被扶養者に対する「基本健診」および「特定健診・特定保健指導」である.特定健診は健診と問診票で内臓脂肪の蓄積に起因する糖尿病などの生活習慣についての状況を把握するものである.健診受診者全員に,生活習慣病の特性や改善についての情報提供を行い,さらに健診結果を踏まえて判定を行い,保健指導が必要な者を抽出し,個別の支援(動機付け支援と積極的支援の2つがある)を行う.生活習慣病のリスクが出始め段階には,原則1回面接して動機付け支援をする.リスクが重なっている者には,積極的支援を行う.すなわち,3カ月から6カ月程度の期間をとり複数回の介入をやって,継続的に生活習慣に対する自らの行動変容を促すアプローチをする.健康支援までのプログラムの実施結果を対象ごとに評価をし,事業全体としての成果,アウトカムの評価もする.保険者は年間の保健事業実施状況を整理し,報告書を提出.国により実績を評価され,後期高齢者医療支援金の加算・減算に反映される.という流れになる.
 これが,今後の成人保健での主流になることも考えられ,急遽,日本歯科医師会は「メタボリックシンドロームと歯の健康」を「第2回 標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会」の資料中の「保健指導における学習教材集 」に入れることを行い,歯科の存在を示した.
 しかし,特定健診・特定保健指導は,保険者に検診義務を課しているために,被保険者は何とかなるとしても,被扶養者に対する健診や保健指導はどこで行うのであろうか? 主婦は会社へ行くのか? また,保健師や栄養士あるいは一定の臨床経験のある看護師を指導者としているが,どう考えても人手は足りないと思える.実は,ここにその他の職種として,歯科関係者が入ることができる可能性があるかもしれないと考えている.食べる機能を追求する歯科保健なら,この分野にも関われる.
 成人の健康管理は,市区町村の事業から医療保険の保険者の業務になっていくとともに,内容の大幅な変更が迫られている.したがって,歯周疾患検診は,今後このような状況下では,新しい検診の項目には上がっておらず,各自治体等の自主事業になるであろうが,ある程度余裕のある自治体では,しばらくは歯周疾患検診を続けることができよう.この場合でも,歯科関係者は,プラークコントロールなどに固執することなく,おいしく食べることができる機能高めることにアプローチしていく必要があろう.



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