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歯と川柳(大庭 健) 

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[ 2007/04/12 11:36 ] 歯と川柳(大庭 健) | TB(0) | CM(0)

医歯二元論と制度のあり方を考える 

07.4月号

国民医療法と医・歯一元論 ―その2

前号に引き続き『国民医療法と医・歯一元論』(昭和17年刊)の冊子内容を紹介することにする.
「 」内は冊子の文章の抜粋,要約である.
都 温彦
(福岡大学名誉教授・前医学部歯科口腔外科学教授)


「今日の医療制度において歯科医に実施を許されていない範囲の講義は,授けられてはいるものの聴講する側の興味を喚起するには至っていない.かえって無益な精神的負担を課すに過ぎない結果となっている.
 歯科医師をこのような悲境から救う途は,人体の全体を基礎とする医・歯を一元にした日本歯科学を樹立して不自然な現在の歯科医師制度に適正な活力を添えることである.そして国策である国民医療法の理念に一層接近させるために医・歯一元体制の強化を図る方がよい.そのために歯科医療者は歯科專門医師として養成されるべきである.
 歯科医療は一般医療とは異なり,類例のない技術(技工)的要素を必要としている.そして現在の医学は人を医することを目的として体系化された学問になっている.歯科医学の中で技術的要素の基礎をなす理工学が医学の圏外にあるものとして放置されるべきではない.歯科医学に必要な理工学は医学的理念のもとに消化し盡して医学的要素化して医学体系の中に吸收されなければならない.
 歯科医学は医学と無関係な技術的要素を含むが故に,医学とは別個の存在であると主張する者もいるかも知れないが,それは人を医すための医学を理解し得ないことを告白しているに過ぎない」と述べている.
 以上,今から60数年も前に述べられた医・歯一元化に関連する理工学の例は,現代の医療では循環器病の治療における人工心肺・人工臓器・組織や整形外科領域におけるインプラントなど,各科領域においても色々な多くの人工材料が使われてくるようになり,かつての歯科の類例のない特殊性は"特殊"ではなくなった.現代の学際的医学の進歩は歯科を医科と分離しなければならないという理由を失っている.
 次に述べられている内容も同様である.
「今,医界においては医学の刷新が企てられている.これまでの医学は理化学に偏重し,ややもすれば人体を唯物的に取り扱う傾向を示して,人を医すための医学に相反する方向に進みつつあるという弊害が認識されている.これらの是正が強調されて物心両面にわたる医学の一元的新体制が樹立されようとしている.また歯科界は医・歯の二元的偏見や対立的意識を捨てて医・歯の一元融合を図るべきである」と述べている.
 このような認識は現代の歯科が歯や口腔,顎顔面だけの診断や治療に止まらず,患者の全身面や心理社会的側面,倫理面,ニーズなどを考慮して全人的,総合的に対応しようとする思想と共通していることに驚かされる.
 次に著者は,「今までの歯科医学制度の下では真の歯科医学の確立は不充分である.それは,法的に認められた歯科医術に一致しない不確定な学問によって曖昧模糊とした不安の絶えない歯科医術を日常行っているからである.そこに正しい歯科医道の成立はなり難い.例えば急性歯性炎症は病勢の赴くところ予断を許さない.歯科医師に許された不明瞭な治療範囲の境界とは無頓着に病勢は自由自在に進展するのである.このような患者に対して良心的歯科医師は診療に臨み,法の制裁を考え,躊躇するのである.歯科医療として施されねばならぬ場合に,自から充分なる知識と技術とを有していても歯科医師なるが故に拱手(手を組んで何もせずにいること)傍観せざるを得ない場合がある.
 医・歯一元論の提唱は,この桎梏(しっこく;手かせ足かせをはめること)から逃れんとする切実な叫びでもある.歯科は医科とは違い,治外法権的な特殊な業域を形成して恥かしくは思わないのであろうか.アメリカ歯科制度の亜流のような医・歯二元論は,これを一刻も長く保ち続けようとする旧体制の思想であろう.歯科界を明朗強化し,国民の体力を向上するには,先ず医・歯一元化を実現し,歯科医療者は歯科專門医として育成されることである」という趣旨で,医・歯一元化の理由が述べられている.
 そして,「この一元化運動の使命が赴くところには対立的存在の是正が必ず要求されることになろう.また他面では医学教育機関の膨大な拡張に帰結することにもなろう.兎に角,国民医療法の包蔵する妙味を遺憾なく運用するならば,結局歯科医師は今日の桎梏から脱して医人として真に仁者たりうる途が開かれ,全歯科界が飛躍的に向上することに何人も疑う余地はない.吾が歯科医学専門学校同窓連合会が結集力をもって医・歯一元化達成に奮起するのは正に此の秋である」と述べて結んでいる.
 以上,冊子の著者は,医・師一元化を主張する根拠を,医・歯二元制における現状の矛盾,問題点を解決するために国民医療法の発令と関連させながら述べている.
 それから60数年を経た現在,歯科医学の教育カリキュラム内容の発展的改正,教育方法や歯科医学の学際的研究の発展,大学院大学の発足,そして医療面においては各科との医療連携,他科との患者情報の交流など,より全人的立場から歯科患者の診療が行われるシステムが採用されつつある.すなわち歯科医学・医療に必要な医学が歯科医学の中において二元的に作られることによって,先人が訴えてきたような医・歯一元論的姿が以前よりもみられるようになっている.
 しかし医師法と歯科医師法による桎梏は従来どおり,なお存在している.そして診療範囲に関する明確な法的定義や,全身面における種々な臨床的教育の研修・修練の場についてもまた手付かずで,曖昧なところがある.現代の歯科についても先人が提起・指摘した基本的医・歯二元的制度の問題や,医・歯一元化的課題が多く残されている.


歯科医療ななめ読み 

   
'07.4月号

生活習慣病対策で歯科も変わるか?

尾崎哲則 
(日本大学歯学部医療人間科学教授・歯学部附属歯科衛生専門学校校長)
 
医療構造改革の大きなポイントの1つに,医療費の増大の圧縮がある.医療費の高騰は高齢者の医療費の増加であり,この原因は,肥満症や高血圧,高脂血症,糖尿病などの生活習慣病である,そのため,医療費あるいは要介護状態の抑制ために,以下に述べるような理由のために,メタボリックシンドローム対策が大きな課題となったわけである.
 メタボリックシンドロームの概念を整理してみると,肥満症や高血圧,高脂血症,糖尿病などの生活習慣病は,各々が独立した疾患ではなく,肥満<特に内臓脂肪型肥満>が原因であることが解明されてきた.このように,内臓脂肪型肥満によって,各疾患が惹起されやすい状態をいい,治療の対象として考えられるようになった.
 このような背景の下に,成人・高齢者への保健・医療の提供形態は大きく変わろうとしている.介護保険や高齢者医療の平成20年以降の変革を前にして,医療に関わる法律が,今春から様々な部分での変更が始まろうとしている中で,歯科保健も例外ではない.
 いままで生活習慣病に関わる予防対策は,老人保健法の保健事業としてされてきた.また,高齢者の医療給付も,老人保健法の医療給付としてきたが,老人保健法の医療関連部分は,平成20年度以降,新たに創設される「高齢者の医療確保に関する法律」に移行される.また,基本健康診査は,「高齢者の医療確保に関する法律」に引き継がれていく.その一方で,65歳以上を対象とした健康教育・健康相談・訪問指導は「介護保険法」へ,その他の保健事業の多くは,「健康増進法」へ引き継がれることになる.しかし,この移行予定には「歯科」関連の記載は今ひとつはっきりしない.この10年間,歯周疾患検診が,成人歯科保健の重要な項目となってきたが,今後は,健康増進法の事業として,各市区町村の責任の範囲で実施することになろう.
 「高齢者の医療確保に関する法律」では,健診等の実施責任を医療保険の保険者(健康保険組合や国民健康保険の保険者としての市区町村)に義務づけている.保険者が自らの対象者に対して,医療費の削減をさせるためには,効果的な方法である.即ち,がんばった保険者は医療費を削減できるという発想である.この保険者に義務づけられている健診は40歳から74歳までの被保険者・被扶養者に対する「基本健診」および「特定健診・特定保健指導」である.特定健診は健診と問診票で内臓脂肪の蓄積に起因する糖尿病などの生活習慣についての状況を把握するものである.健診受診者全員に,生活習慣病の特性や改善についての情報提供を行い,さらに健診結果を踏まえて判定を行い,保健指導が必要な者を抽出し,個別の支援(動機付け支援と積極的支援の2つがある)を行う.生活習慣病のリスクが出始め段階には,原則1回面接して動機付け支援をする.リスクが重なっている者には,積極的支援を行う.すなわち,3カ月から6カ月程度の期間をとり複数回の介入をやって,継続的に生活習慣に対する自らの行動変容を促すアプローチをする.健康支援までのプログラムの実施結果を対象ごとに評価をし,事業全体としての成果,アウトカムの評価もする.保険者は年間の保健事業実施状況を整理し,報告書を提出.国により実績を評価され,後期高齢者医療支援金の加算・減算に反映される.という流れになる.
 これが,今後の成人保健での主流になることも考えられ,急遽,日本歯科医師会は「メタボリックシンドロームと歯の健康」を「第2回 標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会」の資料中の「保健指導における学習教材集 」に入れることを行い,歯科の存在を示した.
 しかし,特定健診・特定保健指導は,保険者に検診義務を課しているために,被保険者は何とかなるとしても,被扶養者に対する健診や保健指導はどこで行うのであろうか? 主婦は会社へ行くのか? また,保健師や栄養士あるいは一定の臨床経験のある看護師を指導者としているが,どう考えても人手は足りないと思える.実は,ここにその他の職種として,歯科関係者が入ることができる可能性があるかもしれないと考えている.食べる機能を追求する歯科保健なら,この分野にも関われる.
 成人の健康管理は,市区町村の事業から医療保険の保険者の業務になっていくとともに,内容の大幅な変更が迫られている.したがって,歯周疾患検診は,今後このような状況下では,新しい検診の項目には上がっておらず,各自治体等の自主事業になるであろうが,ある程度余裕のある自治体では,しばらくは歯周疾患検診を続けることができよう.この場合でも,歯科関係者は,プラークコントロールなどに固執することなく,おいしく食べることができる機能高めることにアプローチしていく必要があろう.





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